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全日本選手権1回戦

投稿日時:2015/11/01 22:26


貴男選手は、11月01日10時スタートの1ラウンド目にセンターコートでシングルス1回戦が2番コートの4ラウンド目にダブルス1回戦が行われました。

シングルス1回戦

    鈴木貴男(イカイ) 6-1・6-1 岡村一成(クロスカンパニー)

ダブルス1回戦

   鈴木貴男/近藤大生⑦ 6-4・6-7(7)・1-6 綿貫裕介/綿貫陽介


鈴木貴男(イカイ)と言えばサーブ&ボレーというイメージを多くのファンが持っているだろう。実際、純正サーブ&ボレーヤーとしては世界でも数少ない現役選手の一人として知られ、海外での彼の試合には選手たちよりコーチたちが「見学」に来ることが多いという話もあるほどだが、そのプレーを支えているのがサービスだ。
鈴木の身長は174cm。このサイズの選手だとワイドに速いサービスを打ってもコートには収まらないと言われるが、鈴木は独特の感覚でこれを実現する。「どうして彼があそこに200キロのサービスが打てるのか理由がわからない」と言った選手も過去にいたのだが、左右上下に様々なスピードと球種で飛んでくるサービス力があって成立するのが鈴木のサーブ&ボレー。鈴木が「ミスター有明」という勇名を世界に轟かせていた00年代は、サービスを相手に読ませないことで相手のリターンにプレッシャーをかけること、そして、当時世界最速とも言われた有明のサーフェスの特性とが相まってサービスゲームの支配力が高く、同時にリターンゲームでも様々な手札でネットプレーで仕掛けてくるため、「ツアーのすべてが有明なら、鈴木は有力なナンバーワン候補」とさえ言われたわけだ。この日の相手の岡村一成(クロスカンパニー)は、彼が早稲田大学在学中には大学に練習に来ていた鈴木とよく一緒に練習していた関係だと言い、お互いのスタイルはよく知る間柄。だが、この試合ではそれが逆に仇になったのかもしれない。
「今までのままで勝てるとは思っていない」と鈴木。彼は自分のサービスを「スピードとパワーで勝負」できるような、かつてのスタイルに戻そうとしているのだという。しかも、それに取り組み始めたのが「2日ほど前」のことで、鈴木自身もまた試している最中だと言い、納得できるサービスが打てたのは1本だけだったとも言う。以前の鈴木がインプットされたままの岡村にしてみれば、今までのイメージと違うという印象が序盤に差となって現れ、それを引きずったまま試合を持っていかれてしまった可能性はあるだろう。
鈴木は岡村の最初のサービスゲームをブレークして2-0とリードすると、そのままリードを4-0まで広げた。第5ゲームでブレークバックに成功した岡村だったが、鈴木はリターンゲームでもスライスを滑らせたり、止まらせたり、前に落としたりという彼ならではのボールで岡村を翻弄。即ブレークバックに成功するとそのまま6-1で第1セットを奪取する。
続く第2セットも鈴木は流れを渡さない。第1ゲームでブレークすると岡村に第3ゲームの一度しかサービスキープを許さず、第2セットも6-1で取ってわずか57分で勝利した。
「試合の中で、駆け引きをしながら自分のサービスを身につけたい」。鈴木が注目されるのは39歳の大ベテランで、かつての日本男子の不動のエースだったという経歴からだけのものでは決してない。年齢的に故障が増え、コンスタントに出場できない分だけランキングを落としてはいるが、強くなる、試合に勝つということに関しては今も昔も変わらず貪欲なままで、そこは少しも変わっていないからだ。
「今年の鈴木はどうなの?  そういう方がいる限り、僕はそういう期待をいい意味で裏切りたいし、応えたいと思う」と鈴木。「少なくとももう1試合、真剣な場で自分のテニスを試すことが出来る。それが楽しみ」。鈴木貴男の2回戦の相手は今季フューチャーズで2勝を挙げるなど、本格化しつつある第9シードで25歳の綿貫裕介(橋本総業)。楽しみな一戦となりそうだ。